日本発スーパーソルガムの世界戦略

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私たちの世界戦略は、スーパーソルガムが本当に「スーパー」であることを確かめることから始まりました。
2012年9月、インドネシア チビノンにあるインドネシア科学院イノベーションセンターの圃場でその挑戦は開始されたのです。

当時、まだスーパーソルガム(候補系統群)は、サトウキビより草丈が大きく、高糖度で1年間に2回収穫ができ(サトウキビは1年或いは1.5 年に1 回の収穫)、収穫量はサトウキビより大きいという沖縄での実績があるだけでした。沖縄よりはるかに赤道に近い地域(低緯度地域)での栽培経験は、まるでなかったのです。
低緯度でも栽培できることはわかっていましたが、高い気温と一年中ほぼ変わらない日照時間、雨季・乾季があること、雨季の大降雨量の問題等、期待通りのパフォーマンスが得られるかは栽培試験を実施してみなければわからないという状況でした。

期待と不安のうちに試験は開始されましたが、その期待を大きく上回り、種まき1ヶ月後には、いくつかの品種が驚くべき生長を見せ始めました。3ヶ月後には期待は大きく膨らみ、4ヶ月後には「スーパー」と呼べる品種が試験栽培を行った品種群中にあることを確信しました。

播種後、約3ヶ月から4ヶ月で収穫でき、糖度は13度を超え、背丈は5メートルに近くなる複数の品種が確認されました。1回の播種で年間3回収穫が可能でそのトータルは1ヘクタール当たり430トンに達する品種もありました。
この時より、私たちはこれらのソルガム品種群をインドネシアにおけるスーパーソルガムと呼ぶようになりました。

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確認から確信へ、そしてさらに革新へ

2013年4月、南緯6度のジャカルタ近郊で春から秋にあたる時期にかけて驚異的な生育を遂げたスーパーソルガム(品種群)の全てが、秋から冬にあたる時期にかけての短日条件下でも大きなパフォーマンスを示すとは限らないことがわかってきました。
植物は一般的に栄養成長から生殖成長にフェーズが変わると(=穂が出る、花が咲く)成長が止まります。
ソルガムの場合、穂が出ると草丈の伸びが止まります。穂が出るきっかけはいくつかあるのですがその要因をかなりの割合で占めるのが日長感受性という性質です。ソルガムは短日(昼間の時間が12時間より短い)になると穂を出し子孫を残そうとします。低緯度地域の春と秋(に相当する時期)にソルガムのどの品種がどのような日長反応を示すか、敏感に反応し穂を出すか否か、どの品種がどのエリアで最適なのかこれらの点に関しては実際に現場における確認作業が必要でした。

インドネシア国内で、合計約7か所〜緯度(=日長)や気候条件が異なる7つのエリアで試験栽培がおこなわれ、多くの有益なデータが集積されました。これら様々な条件下において日長感受性、収量や糖度など比較検討した結果、インドネシアに最適な品種群=スーパーソルガム インドネシアモデルを選抜すること及び最適な栽培体系を確立することに成功しました。

これより、スーパーソルガム インドネシアモデルに関する情報は、インドネシア周辺のASEAN諸国を中心に徐々に広まっていき、スーパーソルガム見学希望の視察団が多数訪れるようになりました。

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世界が期待するスーパーソルガムのポテンシャルとは

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スーパーソルガムは、なぜ「スーパー」なのか?
それは、圧倒的な収穫量にあります。スーパーソルガム インドネシアモデルのバイオエタノール生産能力は年3回の収穫合計で 1ヘクタール当り年間約 1万 7,700ℓ(栽植密度:10,0250株/ha におけるLIPI 試験データ)。エタノール生産量に直結する収穫量は、様々なファクターにより成立っていますが、特に重要なファクターは「1ヘクタール当りに何株植えられているか?」と「施肥量はどのくらいか?」です。 今回の大規模試験では 1ヘクタ ール当り約 10万株になるように植えられておりますが、同時期に実施された最適栽培密度 検定試験では 1 ヘクタール当り 13 万株までは直線的に収穫量が増加しております。即ち、栽培密度の変更だけでエタノール換算約 2万2,000ℓまで増収が可能であることが示唆されたことになります。 バイオ燃料先進国ブラジルにおけるサトウキビを原料にしたバイオエタノール生産量は 1ヘクタール当り年6,000~7,000ℓですからまさに「スーパー」な原料作物なのです。

すでにガソリン代替燃料としてバイオエタノールを導入している国でも、生産効率においてより良いバイオエタノール原料作物を模索しています。 栽培面積当たりの高い収穫量と高糖度を誇るスーパーソルガムからは効率的なシロップ生産が可能になり、シロップは古来からの発酵技術によりエタノールに変換されます。シロップからバイオエタノールに変換する工程には澱粉の糖化が含まれておらず、製造原価は糖化工程のあるトウモロコシ由来バイオエタノールに比べ低いのです。
少しでも安価なバイオエタノール生産を目指すこれらの国では、スーパーソルガムは「スーパー」なバイオエタノール原料作物と考えられています。

 

飼料作物としての優位性もあります。
スーパーソルガムは他の飼料作物(たとえばデントコーン)のおよそ 2倍以上の収穫量がありますので作付面積を半分にして同じ量の飼料を確保できることとなります。
このことにより、人件費や生産コストを圧縮でき、牧場経営を効率化することができます。 これに、素早く反応してきたのは、メキシコ、ベトナム、タイそして畜産大国オーストラリアの農場でした。

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スーパーソルガム由来シロップが持つ面白い特性。
革新は、さらに革命へ

一般的に、穂が出るころソルガムの茎の中にある液は甘くなります。その液には主に3種類の糖が含まれています。ショ糖、果糖、ブドウ糖です。
私たちが日ごろ口にする砂糖はショ糖からできており、主な原料であるサトウキビはその糖のほとんどがショ糖です。 一方、スーパーソルガムの中のある品種には、ある条件下で約半分がショ糖で、残りは果糖とブドウ糖という特徴をもつものがあります。

この果糖とブドウ糖は、飲料や食品の原料として現在大量に流通しています。通常このシロップは、トウモロコシなどの澱粉を糖化しブドウ糖にしたのち、一部を果糖に変換、比率調整後ハイフルクトースコーンシロップという工業製品として出荷されるのです。 このシロップ(液糖)は、日本を含むアジアにも大きな市場があり、たとえ国内の消費量が少ない国でも輸出品として採算性の高い製品になる可能性があります。
スーパーソルガムのある品種のシロップは、変換・調整がローコストで行える可能性がありさらに採算性を高めることができると思われます。
このようにスーパーソルガムのショ糖も注目を集めています。

今日では、経済の発展に伴い砂糖の消費量が増大、さらにサトウキビ生産の不振も重なり、近年砂糖の輸出国から輸入国へと変貌している国もあります。 スーパーソルガムは、サトウキビよりショ糖の含有比率は低いのですが、1ヘクタール当たりの収穫量が年間でサトウキビの2倍以上ある為、ショ糖の単位面積当たり生産量はサトウキビを上回ると思われます。このショ糖生産性に注目が集まり、さらに液糖という副産物もあり、スーパーソルガムによる糖生産事業に対し各国の企業が事業化に向けて検討を開始しました。

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農業プランテーション事業戦略の構築

私たちは、各国の状況を踏まえさらにスーパーソルガムの特徴を生かし、採算性の高い事業展開を可能にする選択肢を提供する、あるいは事業展開を行う能力を有しています。 各国の気候や土壌、目的に合わせたスーパーソルガムを提供し、それぞれの条件に合致した事業戦略を提案いたします。

例えば、人件費が低くローコスト生産が可能で土壌肥沃なエリアで栽培されたスーパーソルガムを搾汁・濃縮後に輸出し、事業主の高い採算性を維持しつつバイオエタノール政策をバックアップする戦略や、低緯度で降雨量が大きいエリア(低糖度になる)では、年3回以上収穫が可能というメリットを生かし、低設備 投資で高品質・安定供給可能な乳酸発酵飼料(ソルガムサイレージ)販売事業を起こし、世界の畜産国へ輸出する計画など、国境を越えさらに地域の特性を生かした農業事業戦略の構築を推進してまいります。

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試験栽培から始まるスーパーソルガムの導入プログラム

すでに、インドネシア以外の国でも試験栽培の実施、或いは実施を検討しているパートナーが多数おり、順次試験栽培を始め、大きな成果を上げつつあります。

私たちは、単に試験栽培を実施するだけではなく、収穫量と糖度を最大化するための灌漑システム、土壌改良法並びに栽培管理法等をパートナーと協議のうえ提供します。 具体的には、播種・病害虫防除などの圃場管理・収穫・輸送・最終商品の流通まで管理・提案し、バリューチェーンの高度化を通して事業採算性をいかに高めるかを常に分析し、最善の事業戦 略を構築・提供してまいります。

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スーパーソルガムの挑戦!

私たちは、未来資源プロジェクトを全世界に向けて発信し、地球規模の温暖化防止にも取り組んでまいります。
未来資源プロジェクトの最終ゴールは、スーパーソルガムというエネルギー作物を核としたスマートシティの構築です。
スーパーソルガム事業の展開により地域に産業を生み出し、雇用創出や個人の収入拡大を実現せしめ、それに続く地域経済の活性化と成長を推進します。更に行政サービスの向上、企業誘致などビジネスインフラの整備を通して地域循環型経済を確立し、地域のみなさまに貢献したいと考えています。

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